家に刻まれた時間を引き継ぐ

初めて内見に行ったとき、不思議と懐かしい感じがしました。
どこか実家に似た雰囲気で、「あぁ、大切に住まわれていたんだな」と空気で分かる家でした。

売主さんは、解体して土地として売るかどうか迷っている様子でした。
ご主人が生まれ育った家。
「手放すと決めても、壊してしまうのはやっぱり寂しい」と。

解体するにしても、残置物の撤去や手続きのことを考えると荷が重い。
でも、空き家をこのまま管理し続けるのも体力的にきつくなってきている。

どうしたらいいのか、決めきれない状態だったのだと思います。

私は、「再生という選択肢もあります」とお話ししました。
”壊す以外の道もある”と知ってもらえたらと思ってのご提案。

ご縁があって、私が引き継がせていただくことになりました。

リフォームも無事に終わり、現在は入居者の方が住んでいます。
暮らしの音が戻った家を見ると、やっぱりうれしくなります。

リフォーム完了後、売主さんに家の中を見てもらう機会がありました。
そのときにいただいた言葉が、今も心に残っています。

「本当にあなたに買ってもらえてよかった。大事な家を解体せずに済んだ。」

その一言は、私の中ですごく励みになりました。

空き家再生は、数字だけの話ではありません。
家に刻まれた時間や思いも、一緒に引き継ぐことなのだと、改めて感じた出来事でした。

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